毎年、田植えの時期が近付くと、ツバメがやってくる。初めて来るようになってから10年以上経っただろうか。最初の年は、ヒナの巣立ちが成功したように思う。けれどもその後2、3年はうまくいかなかった。

 巣を作るのは、車庫の中だ。家族は車庫と言っているが、車が置かれるのは冬期間だけで、それ以外の時期は農作業用に使われる。一日に何度も出入りをするけれども、スズメや野良猫などの侵入を防ぐために、シャッターを上げっぱなしにはしておかない。

 ツバメのために夜間も開けたままにしておくのは、少し心配でもある。糞で汚れるということもある。野良猫が住み着く可能性もある。そして驚いたのは、外敵の手ごわさだった。まだ目も開けれないでいるヒナは、親がエサをとって運んでくるまでの間に、スズメによって巣から落とされていた。狭い隙間から、ヘビが、いったいどうやって垂直の壁や柱をよじ登っていくのか、巣にたどりついて、ヒナを捕まえていた。そして何とか飛べるようになったころ、その不器用で頼りない飛翔を狙って、まさにその時を待ち構えていたカラスによって捕食された。

 こんなわけで、子育ての場所を提供することは、罪つくりなような気がしたのだった。この場所が無理だとわかれば、つがいは、またどこかに新たな場所を探して見つけるだろう。それをなまじ、ほとけごころを起こして、子育てをさせることは、無事巣立つ可能性がゼロに近いだけに、親ツバメたちには気の毒なことなのだ。
 だから何年も、この時期にツバメがやってきても、シャッターは開けないでおいた。数日すると、2羽はいなくなっていた。

 それでも毎年来る。どうしてだろう。同じつがいなのだろうか。それとも、どちらかが、始めのころに巣立った数少ない中の1羽なのだろうか……。


 今年は開けた。結果はどうなるかわからないけれど、提供することにした。今2羽はとにかく忙しく飛び回っていて、新居づくりに一生けんめいだ。そして間もなく完成というところまできた。


 田んぼは代かきの最盛期。やわらかい泥とワラや枯れ草は新居の大事な材料だ。スズメもカラスも家の周囲に何羽もいる。きっとヘビも感づくことだろう。どうにかうまくいきますようにと願う毎日……。
 若いころは携帯電話なんていうものがなかったから、夜淋しくなって急に声が聞きたくなっても、どうしようもないことが何度もあった(その点、いまは便利だ。どんなに遠く離れていても、親密度が高ければ高いほど、あまり時間を気にせず電話ができるし、料金の心配もない)。若いころの淋しさとは、そんなものだった。

 今、時々わきあがる淋しさは、まったくの別物だ。寂しいという字の方が似つかわしいのだろうか。若い時には想像さえできないような感情だと言える。

 あの淋しかった夜、どんなことをしてその感情をまぎらわしたのだったろう? 布団をかぶって寝ていたか(苦笑)? 今の寂しさは、どうやったらまぎらわせることができるのだろう……。
 これからも、これから先もずっと、「あの頃は今がわかっていなかった」と思うのだろうな。


 あれっ? ♪悲しさにー 出会うたびー だったっけか?
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 連休後半は雨続きで、田起こしも中断でした。今日どうにか晴れとなり、再開です。
あぜのフキがあっという間に大きくなってしまいました。

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 苗の育ちも今のところ順調で、ホッとしています。
田植えまであと2週間と少し。重大な病害が発生するのは、これからの時期なので、まだ気を抜くことがでけません。

 何年も前から、この時期和賀屋を訪れるツバメがいるのですが、なかなか繁殖というところまでいきません。
 ♪〜 ぼろは着ーてても トートロは 西木ぃ

 着ぐるみでトトロを演じ続けている、西木さんという方の、心意気とプライドを感じさせられます。
♪〜ぼろは着ーてても トートロは 二匹ぃ 

もしかして私の聞き違いでしたか? 水前寺さん……。